春のタカの渡り調査 2018 秦野・菜の花台の結果

タカの渡り観察グループ

臼井 英夫

概要

 2018年春のタカの渡り調査は、3月24日〜5月22日、観察日数49日、観察者延べ人数247名で行いました。観察できた渡りのタカ類は、サシバ385羽、ハチクマ17羽 ノスリ68羽、ツミ20羽、オオタカ2羽、ハイタカ5羽、種不明のタカ6羽で総数504羽でした。(詳細な記録は ふれあいのホームページに記載)

 非渡りで観察されたタカ類は、サシバ、ハチクマ、クマタカ、オオタカ、ハイタカ、ツミ、ハヤブサ、チョウゲンボウ、ミサゴ、ノスリ、トビでした。(非渡り:東側へ飛び去らなかった場合です。)

 タカ以外の野鳥は、ウソ、ジョウビタキ、マヒワ、フクロウ、ウグイス、ホオジロ、アオジ、ヒガラ、イカル、シメ、トラツグミ、ヤブサメ、オオルリ、キビタキ、サンショウクイ、コサメビタキ、ツツドリ、ホトトギス、サンコウチョウ、クロツグミ、カケス、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、ヤマガラ、シジュウカラ、エナガ、メジロ、コゲラ、アカゲラ、アオゲラ、カワラヒワ、アオバト、キジバト、アマツバメ、ヒメアマツバメ、モズ、カケス、ムクドリ、カワウ、ハシブトカラス、ハシボソカラス等、声のみも含めて43種を観察できました。外来種は ガビチョウ、コジュケイ。

 

今年の観察結果

 

1.サシバの渡り 去年比で大幅減(701羽→385羽)

 今年は 観察3日目の3/26に26羽を観察、3/27に23羽、3/28に103羽、3/29に26羽、3/30に36羽と順調に多くのサシバが渡り、今期も昨年を越える数が渡るのではないかと期待が膨らみました。しかし、そう良いことは続かず、去年のような第二陣の約100羽、第三陣約200羽は出現しませんでした。高知を通過した大群が到着しそうな時期に、渡りの上流となる静岡県で4日間強風で荒天がつづいたことが、流れを大きく変えたのではないか?と考えています。

その後、4/12の10羽、4/13の8羽でパッタリ来訪が止まりました。この後、ゼロから5羽未満の日が続き、昨年は幼鳥が増える4月後半〜5月の来訪は計20羽に届かずで、残念な昨年の55%と少ない結果になりました。

2.ハチクマは少し増えました。(12羽→17羽)

 初観察が、5/11と昨年より10日も遅い到着でした。昨年1/3に減っていたので心配でしたが、渡りが17羽と少し増えました。非渡りで西へ飛んだ個体は7羽で、ちょっと安心しました。観察で判別できたものでは、雄が多かったようです。羽を背で打ち合わせるパッチン体操が多く見られました。

3.チゴハヤブサが渡りました。

 昨年秋に権現山で例年になく10羽ほどと多く観察できたチゴハヤブサが、1羽ですが北東へ通過し渡りとカウントしました。昨年春にも1羽出たのですが南へ飛び去り非渡りでした。スマートで高速飛行は魅力的で、秋に戻ってくる事を期待して待ちます。

4.クマタカの出現は減りました。 

 渡りでは有りませんが、観察できると嬉しいクマタカは、昨年ほどの数は見られませんでしたが7日出現し、延べ13羽を見られました。東からの出現、丹沢西部への飛去が多かったようです。2羽で飛ぶことも4回有りました。

5.ツツドリが 見られました。

 毎年、鳴く声は聞こえるツツドリですが、今年は菜の花台の展望台から見えるヒノキをソングポストとして気に入ったようで姿を観察できました。私はツツドリの姿を見たのは初で、木の頂で鳴くことが判り今後探すヒントを得られました。近くを飛んで通過する姿も見られました。高速でタカに似て見えました。観察場所付近を、縦断、横断しました。

6.フクロウはちょっと登場

 フクロウは観察場所の秦野盆地側の林で 3日鳴きました。昨年は見に行くと飛び去る姿がちょっとだけ見られましたが、今年は声だけ聞いて探すのはあきらめました。

 

まとめ

 今年は、昨年に比べ3月末の気温が10℃くらい高く、昨年は2℃と寒い日がありましたが、最低でも8℃で観察には楽な気候、4月上旬は雨なしが続きました。気温の変化が渡りに影響しては、いないと思いますが、サシバの渡りは3/26〜4/13に集中し95%がこの期間にカウント、残りの期間には19羽しか渡りませんでした。ハチクマは、昨年から10日遅れて5/11にようやく1羽目が遠くを飛ぶのが観察できました。4/14から

5/10の期間はタカが少なく、忍耐の観察期間でした。来年は、4月下旬を休止するなど観察を検討した方が良さそうです。渡りの数や時期の変動は、気象条件で飛来のコースが影響を受けての変動だと思いますが、タカ類の絶対数の減少では無いことを願います。

 最後に、観察に参加されタカ発見、種の同定に尽力された皆様、観察には来られなくても、いろいろご支援してくださった皆様、静岡からリアルタイムで情報をお知らせくださった田島さん、河端さんに感謝します。

 また、秋のタカの渡り観察 権現山で、お会いしましょう。